限定犯罪者

2007 女には注意しろ！

『愛という名のもとに』は面白かった。
　DVDを見終えて勉強しようとしたらもう22時だ。
　チョロの首吊りシーンはびっくりした。
　女には注意しないとな？
　近藤はライフル銃で小早川ナナカって女を殺害した。太田市新田村田町にある廃校でだ。
　ナナカは陸上部でビートランニング（音楽を取り入れると身体能力が上がる）をしていた。
　MDから流れるミッション・インポッシブルのテーマに聞き入って走っていた。
　路上で小学生がイジメに遭っていた。
　しかし、助けることなくナナカは走った。
　実はそのイジメは全て演技だった。
　宮沢ヒロシはいじめられっ子役で、彼の兄、宮沢ケンジもこのドッキリ作戦に加わっていた。
　宮沢ケンジはナナカを尾行し、彼女が新田瑞木町に住んでいることを掴んだ。
　グリーンタウンって住宅街のアパートにやって来て、「アンタのせいで弟は死んだんだよ！」って脅した。揉み合っている最中に宮沢ケンジはタンスに頭をぶつけて死んでしまった。
　宮沢ヒロシは近藤がかつて人を殺したことを嗅ぎつけ、それを利用して近藤にナナカを殺すように命令した。
　近藤は最初は抵抗した。
「お兄さんが悲しむようなことはするな」
「ビビってるのか？人殺しに説教されたくねぇよ」
「やらないとダメか？」
「ここで叫んでやろうか？コイツは殺人鬼ですって」
　太田駅の真ん前に近藤たちはいた。
　新田義貞の銅像が立っている。
　近藤のペニスも隆起していた。
　近藤は人を殺すことに性的欲求を感じるタイプだ。今にも射精しそうだった。
「やめろ、イッてしまう」
　宮沢ヒロシは近藤の右腕のブレスレッドを見た。
　銀色に輝く。
「カッコいいな？」
　近藤は肉の塊になった小早川ナナカにザーメンをぶっかけた。顔にベッタリと白濁とした液体が付着している。
　ヒロシめ、あんな奴にさえ会わなけりゃ平穏なゴールデンウィークだったのに。
　ライフル、どうしたらいいだろう？
　桐生にいるカズマって武器商人から買った。
　こんなものを持って街をぶらつくわけにはいかない。
　ライフルをナナカの死体の傍らに置いて、近藤は廃校を出た。
　深夜の新田市野井町にやって来た。
　自動車教習所の近くに宮沢邸はあった。
　武家屋敷みたいな家で中庭には池がある。
　運のいいことにヒロシ以外はいなかった。　　
「こんな時間になんだ？」
　近藤はヒロシの頭をタンスに打ちつけて殺した。