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2010 雷鳴
瞳は罪悪感に打ちひしがれていた。会社に行く気がせず、風邪をひいたと嘘をつき日光に出かけた。
空を見上げた。虹が出ている。
駅前の温泉に入り大谷川沿いを散歩し、中禅寺湖を見た。しかし、気は晴れず焦燥感は募る一方だった。
22時頃、アパートに帰宅。
鍵が無くなっている。ベッド下や服のポケットを探したり、レストランやコンビニなども探した。
遠くで雷鳴が聞こえる。
シャワーを浴びていると雨音がした。
しまった!窓を開けっ放しだ!
素っ裸のまま風呂場を出てリビングに向かう。
幸い雨は入っていなかった。
窓ガラスを閉めてホッと溜め息、タオルを取りに戻ろうとするとケータイが鳴った。
会社からだろうか?
上司の滝瀬からだった。
《もう来なくていい》
雨足が弱まり、静寂が訪れる。
最近、耳鳴りがヒドい!
ズーン!轟音に身をすくめる。
すぐ近くに稲妻が落ちたようだ。
これからどうすればいいんだ?
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