32人が本棚に入れています
本棚に追加
悪魔が両手を振り下ろす。
巨大な火球が、司に向かって唸り声を上げる。
咄嗟に真弥は火球を受け流そうと術を発動させるが、悪魔の力が強すぎた。火球を流しきれず、飛び散る火花で方々に火がつき、村が炎に包まれる。
逃げ切れない人々が、焼けていく。
焦げくさい匂いが鼻をつく。
地獄と錯覚するほど、悲惨な光景だった。
「俺は沙貴だ。残りはまだ生かしてやる。だが、いずれ必ず滅ぼす。逃れたければ、シンを呼べ」
悪魔は、薔薇と共に消えた。
最初のコメントを投稿しよう!