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訝しがる昌子を、真弥が外へと連れ出した。シンは和男に馬乗りになり、胸の模様を繁々と見つめた。
「人為的に眠らされたようですね。育ってきていたソロンを媒介に、強制的に夢へと閉じ込めている」
「一体、誰が?」
その問いに、シンは答えなかった。言わずとも、答えは明確だった。
沙貴だ。顔も知らぬ人だったが、翔は彼の行動の意図が読めず、また、恐ろしかった。
彼は一体何を考え行動しているのか。何がしたいのか。翔には何もわからなかった。
シンは右手を上げ、手のひらを広げる。目を閉じ、小さな声で何やら唱え始めた。手の中に光が収束し出し、それを包むように風が巻き起こる。小さな離れ全体が揺れ動く。
「六行、解」
そう言って、シンは手のひらを和男の胸に押し当てた。和男の上半身が大きく跳ねる。
光と風が模様に沁み込み、やがて共に消え去った。
「おそらく、これで目覚めるでしょう。後は、ソロンを正常な状態へと戻すだけです」
和男のそばから離れたシンがよろめく。咄嗟に翔が手を差し出すが、やんわりと拒ま
れた。大丈夫だと言い張るが、顔色はやはり悪いままだ。
その後寝間を整えてもらい、その夜はそこで寝かせてもらえることとなった。シンの発した人為的という言葉を気にしながらも、布団の気持ちよさに、翔はすぐに眠りに落ちた。
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