第四章

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 石が、赤く光る。真っ赤に光輝いている。  突如苦痛に顔を歪めたシンが倒れ込んだ。思わず翔は駆け寄ってしまう。驚くシンを無視し、上着を開く。  胸の傷から、血が出ていた。 「大丈夫ですよ。何でもないんです」  翔から離れ、シンは上着で傷を隠す。どうして隠そうとするのか、翔は怒りを覚えた。 「お前、何隠してんだよ。吐けよ。俺じゃ頼りねえかもしれないけど、吐けば少しは楽になるだろ」 「え、何のことですか」  目を逸らすシンの顔を掴み、翔は強引に視線を合わせる。 「馬鹿野郎。いつもみたいに演技ができねえほど、弱ってるじゃねえか」  動きを封じられたシンは、逃げ場を探して視線を泳がせ、逃げ場がないことを知り、ただ怯えた表情で翔を見つめた。 「言えよ。言えるとこだけでいいから」  シンの瞳から、一筋の涙が零れる。  翔の前で、それは初めてのことだった。 「お母さん」  震え、擦れた声で、シンが言った。聞き逃すまいと、翔は集中する。 「お母さんなんです、陽子さんは。僕の、母親です。記憶は、僕が消しました」  シンの告白に、翔は驚き、彼を見つめる。
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