祭りと花火

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 あれがいいこれがいいと話し、たこ焼きに焼きそば、かき氷、わたあめなど食べたい物を買い、屋台の裏のベンチにみんなで座った。 「まずは、ゆらから食べていいよ」 「ほらほら! どれにする?」 「それじゃあ、焼きそばいただきます」  ゆらから食べ始め、みんなで分け合った。おいしいねと言い合って、笑い合った。一つのものでもみんなで分け合うとより一層美味しく感じた。  みずきがたこ焼きをまるごと一つ口の中に入れた。その瞬間、 「あひあひ! かきごおいくれ!」 「口開けてください!」あらたがブルーハワイのかき氷をみずきの口の中に勢いよく入れた。 「んーーーー!」足をジタバタと動かした後、何とか飲み込み大きく息を吐いた。 「大丈夫か? みずき」 「ああ! あらた、助かったが入れすぎだ! 頭キーンてなったぞ」 「みずきさん、口の色、かっこいいですね」あらたがにやりと笑った。 「は!? まさか」 「見事に青いぞ」口の周りが真っ青になったみずきを見て、広海が穏やかな顔で微笑んだ。 「お前は赤くなれー!」 「わ!? 俺はいいですって!」イチゴのかき氷を手に詰め寄ってくるみずきに対して、あらたは慌てて手を前にして後ずさりした。 「このやろー!!」  結局、あらただけでなく、しげまでもイチゴのかき氷で口を赤くされ、さらに広海はみずきと同じブルーハワイのかき氷で口を青くされた。ゆらはその光景を楽しそうに笑って見ていた。  わいわいと騒ぎながら全て食べ終え、部員は再び祭り会場に入って行った。型抜きやヨーヨー釣りをして楽しんでいた時、広海はあらたが居ないことに気が付いた。 「あらたどこ行った?」 「さっきまで後ろに居ました」しげが不思議そうな顔で答えた。 「いつの間に居なくなったんだ?」辺りを見回すがあらたの姿は見えず、多くの人が行き交っていた。 「この人の多さだからね、はぐれちゃったのかもしれない」 「ここで! はぐれた時のお約束! 中央の大地の人の像に集合!」 「あらた覚えてるかな?」 「とりあえず、行ってみよう」  部員は祭り会場から離れ、大地の人の像を目指した。
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