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「日も暮れ始めるから、そろそろ帰る準備しようか。ゴミは全部持ち帰るよ。この場所を綺麗に保つためには大切なことだからね」  須田の声で全員は片付けを始めた。地図とレジャーシートは袋に戻し、ゴミは分別してゴミ袋に入れた。片付けが終わり、立ち去る前に桜の木の幹に手を当てて挨拶をした。 「お花見させていただき、ありがとうございました。また来年、みんなで花を見に来ますね」  部員それぞれが心の中で桜の木に別れを告げた。どうかこのまま倒れることなく、この場所で生きているように。願いを込めて。  学校への帰りも同じ順番で並んで歩いた。行きと違ったのは賑やかさだった。みずきを筆頭にこれからの部活の計画や、やりたいことを楽しそうに話していた。あらたは呆れながらそれを聞いていた。 「みんな、お疲れさまでした!」  部室に着き一息ついている部員に須田が声をかけた。 「次の部活は今日の続きで、みんなが住んでいる場所の今と昔の比較をしよう。昔の土地や暮らしの変化について考えてみよう」 「はい」 「それじゃ、今日はこれで解散! 気を付けて帰るんだよ」  さようならとそれぞれ須田に挨拶をして全員で部室を後にした。校門を出て別れるまで今日の出来事を話しながら。
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