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ーー破瓜のいたみをアナタはおぼえている?  まどろみのなかで、懐かしい声を聞いた気がした。  夢をみていたのだろう。  私は重たいまぶたを無理にこじあけて世界を転換する。  懐かしいあの子は消え、かわりに白い天井が現れた。  いつもの朝。  いつもの電車。  変わりばえしない日常が今日も始まるのだと思うと、かすかに絶望を感じる。  そんな資格などないくせに。
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