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深く陰を湛えた海はどこまでも広がっている。
光を帯びた空は星と月と太陽を包んで輝いている。
なんて美しいのだろう。
そして、なんて大きいのだろう。
世界は広く高く深く、自分はとてつもなくちっぽけだ。
そう思う私は一体誰なのか。
か弱く、幼く、覚束ない私。
遥か遠くに、雨雲が見える。稲妻が時折光っている。
稲妻を受けた波は荒く、平等に厳しい。
今は穏やかでも、きっといつか、あの厳しい戦いの中に舞い戻るのだろう。
それでも、
それでも、
あの空高く輝く温かい星のように、
この広く深く続く穏やかな海のように、
何もかもを受け入れて、包んで、
そして、選んで、捨てて、
ただ一人の私になって、
そうやって、
そうやって、生きていけたら。
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