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「いいよ。別に気にしてないよ」
「でも、スタートしたときあなたが手を離したからいけないんだよ」
え、うそだ!あんたから手を離したくせに。
「へぇ、そうなんだ。でも私あなたに一度だけ追いついたんだよ。気づかなかった?」
その子の目が一瞬泳いだのを私は見逃さなかった。
「うん、ぜんぜん気づかなかったよ。来年こそ一緒に走ろうね」
うそつき。わたし、あんたと一緒はもうごめんだ。
心で誓いつつ、笑顔で嘘をついた。
「うん。来年こそ一緒に走ろうね」
女同士の友情なんて紙一重。
向こうから誘って来ても簡単に人を裏切る人もいればその逆もしかり。
今日は味方でも明日には敵になっている場合もある。
私もまだまだ勉強中。見分けるのが難しい。
だけど本当に困っている時に助けてくれたあの子は、今は私の親友。
あの時私を裏切った人々にも感謝しなければ。
マラソン大会は、男同士の場合は、どうなるのかな。
一緒に走ったり、手をつないだり、、、
あ、でも今の時代ならあり得るかもね(笑)
そんな妄想が今日もループする。
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