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「将来、心結ちゃんが病気で禿げても、何かで太っても変わらず思い続けれるじゃん」
「極端……」
小西のセリフがあまりにも極端すぎて、ぷっと笑いが込み上げる。
でも、本当だと思った。
俺は、たとえ心結の容姿が何らかの原因で変わったとしても、気持ちは変わらないと誓えるよ。
だから、俺にチャンスが欲しい。
絶対に、心結のこと傷つけないって約束するから。
あの日、ヒロと別れたと電話で泣きじゃくる心結のこと、近くで抱きしめてやりたかった。
心に入りこんで、ヒロじゃなくて俺を置きたかった。
だから、今度は俺が幸せにしたいって思いは日々強まるばかりだ。
「お前、いままで好きな子と付き合ってこなかったろ」
「そうだな」
俺はずっとずっと、小さい頃から向かいの家に住む彩香のことが大好きだった。
でも、彩香の好きなやつは俺じゃなくて。
俺は、気持ちを伝えることもせずに、彩香の恋を見守るだけだった。
それでも、俺に告白してくれる人がたまにいて、付き合うだけ付き合って、虚しくなって、おわって。
その繰り返しだった。
だから、今度こそ。
好きな女の子と付き合いたい。
そう願うのは、贅沢なことじゃないよな。
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