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「ねぇ、24日は?誰と過ごすの?」
ずっとずっと言いたくて、言えなかった。
誘いたくて、誘えなかった。
「……ん、イブか」
記念日とか、特別な日とか。
そういうことに無頓着なヒロは、あたしのいった日付をすこし考えて、思い出したように口にした。
「あたし、ヒロと過ごしたいんだけど……」
恐る恐る口にしたあたしに、ヒロの目は見開いていく。
ドキドキする心臓。
ヒロがなぜ目を見開いたのか。
そんな意外なことを言ったつもりもない。
もしかして、先約でもあったのだろうかと不安が募る。
「心結、ほんと?」
「え?そんな驚く?」
なぜか驚いているヒロに首を傾げる。
「心結に誘われるとは思ってなくて」
「え?」
「あんまり心結から誘うってないじゃん。嬉しい」
本当に嬉しそうに笑ってる。
たしかに、あまり誘ってなかったかもしれない。
だって、違う女の子と約束してたらって、怖くて誘うなんてできなかった。
でも、今回だけは特別な日だから。
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