決断

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『そっか!OKされたか、よかったじゃん!』 夜。 日課の悠貴との電話。 部活が終わった帰り道で悠貴がかけてくれる電話が毎日の楽しみだ。 「うん。断られなくてよかったよ」 『まぁ、そこは彼女からの誘いだしな?』 「うーん。なんか、ヒロってイベントごとに無頓着で……」 付き合って何ヶ月とか、誕生日とかそういうのを本当に気にしていない気がする。 半年記念もにもないどころか、何も言われてもいない気がする。 いつの間にか過ぎていたんだから、やばいよね。 『でも、中学のとき桜とは……ってごめん』 悠貴が言いかけて、慌ててやめる。 「桜?」 『んーっと……』 「元カノ?」 『うん……』 わかってる。 元カノのことを忘れるためにあたしと付き合ってるってことくらい。 「大丈夫だよ。前の彼女のほうが好きだったこと、あたし知ってるから」 ヒロは中学の卒業式で付き合っていた彼女から振られたらしい。 元カノのこと、忘れられない雰囲気だったから「付き合おうか」って言われたときは心底驚いた。
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