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「ケーキも持ったし、完璧」
手には、昨日の夜にヒロへの愛情たっぷりに作り上げたクリスマスケーキ。
手作りでホールケーキなんて初めて作ったんだ。
2人で仲良く食べられればそれでいい。
「プレゼントも……入ってる」
カバンの中の包み紙。
中身は、ヒロにピッタリなリストバンド。
喜んでくれたらいいな。
「一応の準備も……」
ヒロの家は、普段から家族が帰ってくるのが遅い。
だから、必然的に二人きりになるわけだ。
「きっとそろそろ……」
いままでもヒロの家に行ったことはあるし、その時もふたりきり。
いい雰囲気になったこともあったけど、まだあたし達はキス以上は進んでいない。
でも、そろそろかもしれないと、お気に入りの下着を身につけたりしている。
「もし、そういうことをしたら……ヒロはあたしだけを見てくれるのかなぁ」
ヒロに自分のことだけを見てもらえるなら、それでもいいだなんて思ってしまう。
そんなことでつなぎ止めておいても意味がないってわかっているけど
それだけ、ヒロが好きなんだ。
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