決断

15/19
前へ
/414ページ
次へ
あたしと付き合う前にずっと付き合っていた元カノ。 あたしのことは、その彼女を忘れるためだったって分かってる。 『待ってくれ、俺は心結のことが……「もう別れるんだから、あたしに遠慮することないんだよ。元カノと幸せになりなよ」 あたし以外の人と幸せになって欲しいなんて、本当は思っていない。 『なぁ、俺は心結が好きなんだよ。別れるなんて言うなよ』 「好きなら、今頃ヒロはここにいるよ。あたしとクリスマス楽しんでるよ」 『それは……』 「出来もしないくせに言わないでよ」 もう限界だった。 学校では、ほかの女の子と仲のいい姿を見せられて、周りからは哀れみの目でみられて。 あの子彼女のはずだよね?って聞こえてきて。 それでも、ヒロと一緒にいたのは好きだったから。 『どうしてもダメ?』 「ごめん、もう限界なの」 『そっか……』 「次は、ちゃんと大事にするんだよ」 一方的にそう告げて、電話を切った。 切り終わって、初めて溢れ出てくる涙。 好きだった。 ちゃんと恋してた。 でも、あたしの心がもう無理だった。
/414ページ

最初のコメントを投稿しよう!

119人が本棚に入れています
本棚に追加