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「いや、だって咲坂さんの他に仲良くしてた女子つったら、あの子だろ」
「はぁ?なんで、好きでもねぇやつを彼女にする意味があんだよ。わけわかんね」
「どの口が言うか」
ヒロの口を摘む。
「うるせぇよ」
すぐに俺の手を払って、布団に潜る。
「おーい、俺の布団なんですけどー」
「はぁ、どうやったらもう一度俺と付き合ってくれんだろ……」
潜った布団から少しだけ顔を出す。
「なんて言われたんだよ?浮気が原因なら、もう1度説得したら?」
本当はそんなこと1ミリたりとも思っていない。
でも、ヒロは俺の大事な親友で。
心結が付き合っていたやつが、ヒロじゃなければこんな思いしなくて済むのに。
「好きなやつ……」
「え?」
「もう他にいんだってさ。はやくね?」
ははっと自嘲的に笑う。
「そんなわけ……」
ないのに。
心結は昨日ずっと泣いていた。
そんな心結にたった1日で好きなやつなんか出来るわけねぇだろ。
ヒロが帰ったいまだって、泣いてるに違いないのに。
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