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「そっかー、別れたんだ」
今日は冬期講習。
一緒に登校するかすみにすぐに報告をした。
「うん、限界きちゃって」
「それが正解だよ!あんなやつ、別れてせ「あんま大声な人の悪口言わないでもらいたいとこだね」
かすみの言葉を遮って聞こえてきた声に慌てて後ろを振り向く。
「ヒロ!」
「おはよ、心結。今日も可愛いね」
「は?何言って……」
滅多に言わないヒロがさも当然かのようにこんなことを言ってきて、心臓がバクバクしないわけはなかった。
「これからは、素直に生きることにしたんだ」
「いまさらなにをいってんだか」
ヒロの言葉にかすみが首を傾げる。
「うっせーな。俺は変わるんだよ。心結、覚えておけよ?」
ポンッとあたしと頭を叩いて、走っていく。
「……っ」
胸の奥が疼いているのがわかる。
だって、あたしだってまだまだ好きだから。
好きな気持ちはなくしてないから。
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