好み

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『ヒロから聞いた』 「そっか」 『俺のこと使ったろ?』 「あ、うん。ごめん」 名前は出てないにしろ、自分のことを勝手に使われるのはいい気分はしないはずだ。 『俺は心結が使ったのが俺で嬉しかったんだから、謝るなよ』 「悠貴……」 俺を使うなって怒られても仕方ないのに。 それを、嬉しいだなんて。 悠貴はとんだお人好しだ。 『俺さ、心結が好きじゃん?』 「う、うん」 前々から聞いていたとはいえ、改めて言われるとなんだか照れる。 『だから、アイコン変えて?』 「……え?」 想像していなかった悠貴の言葉に、あたしは何も言えなくなる。 『……っ、ごめん!彼氏でもないのに何言ってんだって感じだよな!』 焦ったような悠貴の声が聞こえる。 「違うの。ただ、ビックリしただけで……」 別にそれを嫌だとも、何言ってんだとも思っていない。 「ちょっと、待っててね……」 悠貴との通話画面から、ホーム画面へとタップをする。
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