第1回なべろうの会

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「でもまあ、俺の分があったということで今回は目をつぶろう」  別に竹下のためにシメのうどんを残したわけじゃないが、お咎めなしなら安いものだ。 「とりあえず、鍋は洗って家庭科室に返してきなさい」 「はーい」  俺たちは大人しく鍋の片付けを始めた。竹下は「よいしょ」と立ち上がる。 「あ、そうだ。家庭科室で誰かに見つかったら、竹下の名前出していいよ」  鍋を持って部室を出る間際、竹下が言う。 「え、いいんですか?」  白々しい俺と池田。すると、竹下は苦々しく「あぁ」と言って寒さに耐えるように肩をすくめる。 「連帯責任だからな」  ハイタッチをしたい気持ちを抑えて、俺と池田は竹下の背中を見送った。  多分、竹下はわざと俺たちに乗っかってくれたんだろう。そんな気がした。
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