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池田は不服に言う。まぁ、分からなくもないけれど。
三年のこの時期だから、生徒指導の教師も張り切るわけで。
「気が抜けてると思われたんだろーな……さて、池田。そろそろ出よう」
「おー」
あんまり喋っていると迷惑だろうし。勉強にかじりついている連中を横目に立ち上がった。
「頼むからあんまり竹下に目つけられるなよ。あいつ、すぐに連帯責任って言うから」
廊下に出てすぐに言っておく。すると池田は「別に図書部に連帯責任とかないだろ」と楽観に返してきた。
いや、わからないぞ。俺たちはもうすぐ卒業だからいいが、後輩二人が残ってるんだからそっちに被害がいくかもしれないだろ。
「でも、どうせやるんならもっと派手にいきたいよな」
俺の心配もよそに、池田はまったく懲りない。
「どっかの大学生が道路にこたつ置いたくらいのことはやりたい」
「あれは校則を通り越して犯罪だからな……でもまぁ、シャツが出てただけで説教食らうのと、派手にやらかして説教くらうのなら断然後者がいいな」
「だろ? だからさ、俺はちょいと面白いことをやってみようと考えた」
ニヤリと口の端を伸ばす池田。嫌な予感を覚えつつも、自然と笑ってしまう。
「何するんだよ?」
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