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僕は次の日の夜に、隣町のUFOが落ちた場所にいた。進入禁止の立て看板があるけれど無視して中に入る。警備の人はいないし、壊れた宇宙船ももちろんない、それはもう研究施設に持ち帰られてしまっただろう。しかし、大きく穴の開いたクレーターだけは残っていた。
僕はクレーターの中心部を持ってきていたスコップで掘った。するとあら不思議、小さいキューブ型のものが掘り出された。キューブの四面にはそれぞれあの光る石の形をした穴が開いて居る。
その一つ一つの穴に、空から落ちて来た石をはめ込んだ。
全部はめ込み終わるとキューブ全体が光り輝きふわりと宙に浮く、するとその光の中からポンとウサギの耳の様なモノが生えた球体が飛び出した。
そして、ジジジとノイズの様な音を出した後、人の声が聞こえ始めた。
「あーあー聴こえますか?こちらは銀河連邦惑星調査隊の通信機です。」
「勿論、聞こえてますよ。僕は銀河系生命体調査員の×××です。」
「これはこれは、地球人の生態調査お疲れ様です。」
「いえいえ、実は僕の調査地域の隣町で、この調査記録キューブを乗せた宇宙船が不時着しましてね。壊れていたようなので地球の研究員が、ポッド自体を回収してしまったんです。幸い緊急時の避難装置が発動した様で、このポッド事態は無事みたいですけど。」
「そうでしたか、態々連絡いただきまして助かりました。実はそのキューブの鍵が大気圏に突入する際に、ポッドから飛んでしまっていたという報告を受けていまして、我々も困っていた所だったのです。」
「カギが毎日僕の頭に当たるものだから、少し困りましたよ。僕も調査期間が自分の星の機密キューブの存在をすっかり忘れるところでした。」
机の中に入っていた、トランプのカードは、僕の星のパスポートみたいなものなのだ。全く仕事に夢中になるのは良くないね。でもこの星の暮らしが楽しいのがいけない。
「それでは、申し訳ありませんが、回収ポッドを送りますので、それにこのキューブを入れて返して頂けないでしょうか。」
「いいですよ。ポッドは僕の部屋に送って下さいね。」
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