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「なぜだ……」
冗談半分に、要人は難しい顔をした。
だが、半分が冗談ならば、残りの半分は本気なのだ。
以前は、そうじゃなかった。
「優希、今朝起きたらチンチンが硬くなってた!」
「優希、精通が来たぞ、俺!」
「優希、俺さ。夢精しちゃった」
「優希、これ一緒に見ないか?」
何の抵抗もなく、同年代の優希も経験するであろう二次性徴をあからさまに語り、共有してきた。
二人でこっそりピンク雑誌を隠れ読んだりしたものだ。
でも優希は。
優希の方からは、そんな話題を振ってきたことがない。
要人の奔放な告白を、困ったような笑顔で受け止め、恥ずかしそうに目を逸らしてはいなかったか?
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