第三章

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女は立っているのが苦しくなったらしく、膝をガクンとついた。 「お水…」 「飲ませてやりたいのは山々なんじゃが」 タケシは女の縋るような目付きに耐えられず、俯いて言った。 「聞いた話じゃと、この爆弾にやられた人間が水を飲んだら 死ぬるらしいで。辛いじゃろうが、堪えてくれんか」 「…ほんの一口でもだめですか…」 こんなに欲しがっとるし、一口くらい…と思いかけ、ダメじゃダメじゃと心を鬼にする。 「あんたも死にたくないじゃろう?早く家に戻りんさい」 「私はもう、無理です」 女はその場にヨタヨタとうずくまってしまうと、諦めたように薄く笑った。
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