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「申し訳ありません。せっかく貴重なお話をしてくださったのに…生徒たちが失礼な態度で」
語りを終え、連れて行かれた校長室の応接ソファに座っていると、教頭先生がしきりに恐縮して頭を下げた。
「いやぁ 最近の高校生は特に、自分たちが興味を持たない事柄には あからさまに無反応で。お恥ずかしい限りです」
「いいえ」
私は静かに首を振る。
「誰だってそうだと思います。こんな重い話より、楽しいことがたくさんありますから。私も昔は」
平和学習なんて、同じことの繰り返しが退屈だった。
何の意味があるのかとさえ思っていた。
まさか自分の祖父が、過酷な体験をしていたなんて知らなかったんだ。
祖父に寄り添うことをしなかった。
戦争を望む人間なんて いる訳がないと思っていた。
地球上の誰もが、好んで核兵器を持つ筈がないと信じていた。
結局
ちっとも「学習」していなかった。
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