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名村くんは私に温かいミルクティーを出してくれた。
甘くて、優しい味。
部屋は思っていたより綺麗で、ものは少ない。
男の子の部屋って初めてだ。
だけど今日はそういうので来てるわけじゃない。
勉強を教えてもらうだけだ。
名村くんは私が広げたノートと、テストを手に取ると、ペラペラとみ始めた。
「別にできてないわけじゃないんじゃないか?ただケアレスミスが多い、あとは時間が足りてないって感じだな。」
「そうなの?」
「あ、でも。ここ公式が間違ってるな、公式間違えてたら解けるものも解けないよな。まぁ、今日はテストの解き直しするか。」
そう言って名村くんは自分の机から数学のノートを持ってきた。
「ここは、こうで、こうなって…」
教え方は先生より分かりやすかった。
「あ!そっかこうだからこうなるのか!ありがとう名村くん!」
「よかった。そろそろ帰るか?」
「やばい、門限20分前だ。」
「門限ってまだ4時40分だぞ?」
「うち、部活が無い日は5時なの。」
「ま、お前も女だもんな。気をつけて帰れよ。」
「ねぇ、名村くん学校きてよ。隣いないと寂しい。」
「気が向いたらな。」
私は急いで家に帰った。
門限ギリギリ。
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