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「最近名村ががっこうにきてくれるようになったのは、相原のおかげだな。」
先生に呼び出されてそう言われた。
「でも、私は、名村くんに何もしてあげられてない。」
「あいつはいい奴だよ。あんな見た目だけど色々噂あるけど、本当は優しくていい奴なんだ。いつからかあんな風に人生を諦めたような目をして、あんな風に世の中を逆らうようなことをしてるけど。本当はいい奴なんだよ。」
「先生は、名村くんのことよく知ってるんですか?」
「知ってるよ。あいつの事は小さい頃から、あんまり詳しい事は個人情報だから先生の口からは言えないけど、色々あったからな。」
「私にできる事、ないですかね?」
「できるなら、あいつがもう一度、心から笑えるようにこっちの世界に引っ張ってほしい。でも、大変な事だと思うし、それなりに相原も傷つく事になると思う。それでもいいか?」
「私にできる事全てやりたいと思います。」
「相原、任せたぞ。」
「はい!」
この時の私はまだ、知らなかった。
名村くんの抱えてるものがどんなものかと言うことを。
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