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名村くんは喧嘩しまくり、いつも違う女を連れてるとか、悪い噂は絶えなかった。
日に日に増えていく顔の傷がその噂が一部本当であることを物語っていた。
やはりそういう人なんだ、関わらないほうがいいね。
周りの人は口々に言った。
教室で彼が口を開くことは先生が授業で当てたときくらいだ。
私はほとんど男子と関わることなく1回目の定期テストを迎えた。
「相原。いくら文系で数学は使わないからってこの点はないだろ?」
先生に呼び出させれたかと思うと、18点と書かれたテストを見せられる。
「他のテストは全部90点超えてんだから、数学も頑張れよ」
「失礼します、日誌持ってきました。」
「あ、ちょうどよかった。名村。相原に数学教えてやってくれよ。相原、こいつこんな見た目だけど、学年で一位だから。」
この人に教えてもらう?無理無理。男子と話すことすらできないのに。ましてやこの目の前の金髪くんに教えてもらうとか…。
「いいっすよ。別に。」
「じゃあ決まりだな。相原数学できれば名村抜けるかもな。」
名村くんはギロリと私を見る。
私はとっさに目を逸らした。
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