Chapter 4

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大袈裟に手を掲げてみせると、男たちの顔もそれとともに上がった。その様子が可笑しくて、つい小さく笑ってしまった。 「いいか、よく聞け」 咳払いをして笑いを納めると、イザークは表情を引き締めた。 「コイツはすごく貴重な植物だ。実をつけるのは3年に一度……いや、そんな事はどうだっていい。貴重なのは俺たちの仲間だって同じ事だ。犠牲は最小限に留めたい」 「対話か」 アーロンの言葉に、イザークは深々と頷いた。 「だがイザーク、人間が対話に応じなかったら?」 「女神を40人……いや、50人降臨させる。ただ、女神は気まぐれだからな。今回は9人すべてが見事な“聖獣”になったが」 「ダリオの件か」 アーロンが苦しげに息をついた。同胞殺しなど、悪夢以外のなにものでもない。しかし、立ち上がると決めたからには、時には無情な決断をしなければならないという事だ。 「戦争になるな……」 ぽつりと呟いたのは、猿の四肢を持つカールだった。 「切り札は俺たちが持ってる」 不安そうなカールをじっと見据えながらイザークが続けた。 「どうするかは人間たちに委ねる」 「場合によっちゃ、戦争も避けられないって事だな?」 このロジェの質問には、慎重に頷いた。誰もそんな事は望んでいない──だが、そうせざるを得ない局面に来ている事もまた事実だ。歴史は静かに時を刻んでいる。決して立ち止まったりはしない。
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