86人が本棚に入れています
本棚に追加
/278ページ
「とにかく、無事でよかった。ヘルハウンドだかラクサーシャだか判んねぇのを捕まえてきたら、テメエに分析してもらうからな。そのつもりで勉強しとけ」
「アデル──っ!」
無事で、という言葉をかけるより先に、アデルは部屋を出ていってしまった。
おそらく既にアデルの頭には、ラクサーシャ捕獲に対する明確な作戦が練られているのだろう。
自らを囮にする、危険な作戦──フェルザーがGoサインを出せば、それは実行される。
(どうか、無事で)
5年という月日、苦楽を共にした戦友の身上を思うと、胸の奥底がずしりと重苦しくなった。
最初のコメントを投稿しよう!