Chapter 5

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「確かに、俺たちは油断してた」 エルヴェは膝立ちし、必死の形相でアーロンに訴えかけた。 「けど、ヤツとやりあって解った事もある……お願いだ、次また失敗したら、俺たちを“聖獣”にしてもらって構わねえ。もう一度だけチャンスをくれ!」 憐れな豹族の兄弟を、アーロンは静かな眼差しで見おろしていた。 身体能力に長けた“戦闘員”なら他にもいる。だが、次々と新たな戦闘員を送り込むのは得策とは言えない。 「……あと二人」 「え……?」 「カイとイスモを同行させろ。いいな、次はもうないぞ」 エルヴェたちに凄んでみせながらも、アーロンは内心焦りを感じていた。 居住区外にラクサーシャがいる原因を探る為に軍が動き出すより先に、先手を打たなければならない。 “クロギツネ”が早く現れてくれるといいのだが。
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