Chapter 3

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ようやく落ち着きを取り戻し、フェルザーは口の端に笑みを乗せた。 「今日はご苦労だった。夜の監視は他の者をあてがう。君らは今日はゆっくり休め」 3人は踵を揃え、背筋を伸ばして敬礼すると、くるりと背を向けて部屋を後にした。 やれやれ──と残されたフェルザーは苦笑した。卒業したての新兵にしてやられてしまった。あのマリウスという男、噂以上の素質を備えている。 フェルザーは机に向かうと、新たな伝令兵4名を選出した。彼らの最初の任務は、アデルに戻るよう伝える事になるが、おそらく相当苦労するだろう。 伝令兵の負担を少しでも軽減しようと、フェルザーは書をしたためるべくペンを取った。
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