それぞれの想い。

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 たまに話しかけてくれる子もいたけど、うまく話せなくてうまく表情を作れなくていつの間にか離れてしまい、俺は孤立した。  中学生に上がればいやがらせなのか、先生や同級生に変なところを触ってこられたり体操着を盗まれることも増えて、どれだけ嫌われているのだろうと考えるともう嫌になって、無関心のフリをした。  体育の授業で二人一組になるのも俺だけあぶれたり、班を決めるときも俺だけ残ってしまいじゃんけんで負けたところにいれられる。  班まで決まったところまで行っても修学旅行や遠足に課外授業などすべて欠席して配られるプリントだけしていた、行事にも参加しなかった。  行事にでなかったのは、学校であぶれたりするのもあるが、あの男性からちくりと言われるのだ。 「あの2人が庇ってくれたおかげでお前は学生謳歌できるんやね、よかったやん」  行事の時期になるたびに彼はそう言ってくるのだ。  もちろん、両親のことを俺は忘れてはいないし楽しむことは出来ないと思っていたが、そう言われると尚更楽しんではいけない、と思わった。  それはいつしか、自分は幸せになってはいけない、にすり替わり罪悪感を持ったまま俺は高校生になった。     
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