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誰にだって子供の時代は有って、誰にだって深い悲しみ、淡く消える様な想いが数多く存在する時間があると思います。
私にだって、些細な事に迷い、落ち込み、今思えば何でもない過去のソレらに悩んで、否になる事がありました。
いつの間にか大人になると、そういう世界が消えてしまっている事に、どこか悲しく、寂しいなと感じていき、いつの間にか風化し、それこそいい思い出として、思い出は補正され、頭の中で再構築された偽物の思い出に浸るようになるんだと思うんですよ。
あの秋は、宇和野大空にとって現実と向き合う大切な時だったのでしょう。そこに私は凶器を翳してしまったのでしょう。
自分が罠に嵌められている事、理解できない、想定外の動きを相手にされたことで、少し苛立っていたのです。
彼の一番触れてはいけない。弱い部分に何度も攻撃していたのです。
何でもできる、何でも知っていると、彼は私を買い被りますが、私は大した人間では無いのですよ。
こうして、いつか帰ってくるかもしれない彼の部屋で待っているのだから。
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