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あれ程見るなと言ったのに
ストーブの前で、眠る。
冬は苦手なのだ。寒いから。
朝一番で、手紙が届く音が聞こえる。今でも時々届く、彼へのお祈りの手紙を、机の引き出しにしまう。
宇和野大空(うわのそら)様と書かれた手紙を、勝手に開けては祈られる彼の辛そうな目を思い出すのだった。
千を超えた祈りの中に、一社だけ内定の文字が届いている事を彼に伝えたい。
女々しい。
でも女だし、いいか。
千以上の会社から要らないと宣言された彼は、藁でも掴もうと私を掴んでいたのかも知れない。最近そう思うのは、そんな彼に私も縋っていたからだろう。
大量のメール、電話を無視しながら、私は生きている。
彼は言った。
生きていちゃ駄目なのかと。
真っ黒な闇の様な目は、光を失い、地獄の中に消えていった。
地獄のゴウロ。
日本最凶の怪異に、あっけなく私と宇和野大空の築いた関係は破壊された。
ちがう。
破壊したのは私だ。
東海林メアリこそが悪魔なのでしょう。
彼は言った。
お前が悪魔じゃあないか。
「そう、かも知れない」
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