帝国会談(アルブレヒト)

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帝国会談(アルブレヒト)

 リッツは実に手際のいい青年だ。テキパキと船員に指示をだし、流れを読んでいく。気遣いも十分で、ランバート達の騎士団の服の他にアルブレヒトの服も整えてくれた。  多少邪淫の気がある事が心配だったが、どうやらグリフィスがそれを満たしているようだ。彼の邪淫は満たされない心にも起因しているようだが、そちらも満たされているのだろう。  グリフィスの方は部下にまで赤裸々な性事情がバレてしまい、多少やさぐれているようだがこちらも心配はない。元より愛情深い人物で、仲間や番を囲い込む気性のようだ。猛々しい気をリッツが吸い取っているので、多少落ち着いてくるだろう。  騎士団の皆は服装が違うだけで見違えた。皆、その制服に恥じない誇りを持っている。  特にランバートは気が引き締まった。顔立ちまで変わってくる。女神を宿す彼は見ていてとても興味深い。同時に彼の恋人というのも、実に興味深いものだ。  船は順調に帝国へ向かっていき、やがて王都近くまで進んだ。そこで船を下り、馬車に乗り換える。これが深夜の事。そうして王都に着いたのは、翌日の午前中の事だった。     
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