1.退屈の崩壊

2/14
前へ
/15ページ
次へ
はっと目が覚める。ここはどこだろうか。 白い天井、白い壁、白いベッドに横たわる白い服を着た自分。 「…え」 なんだこれは。どうなっているんだろうか。 何も思い出せない。いや、というより本当に全部思い出せない。 自分は何故ここにいる?自分は一体… 「よっ、目ぇ覚めた?」 「うわッ!?」 突然、深い青色の髪をしたジャージ姿の少年が現れた。 同じく暗い青の瞳に、頭上には何故かゴーグルを身につけていた。 綺麗な髪だなぁ…と思う。男だけど。 ……じゃなかった。それよりも! 「え……っと、きみは……?」 「あぁ?んだよやっぱ覚えてねぇのかよ……まぁいいや。 俺はリュウ。シューティングゲーム出身。よろしくな。」 「あ、ええと…よ、よろしく……?」 覚えていないとはなんなのだろうか。一回自己紹介してくれてた? …………だめだ、思い出せない…なんだか凄く申し訳ない。 「おい、どうした?やっぱ身体痛いとかあるか?」 「いえ!そんなことは全く!」 ただ思い出せないのが申し訳ないだけです! 「そ?ならいいんだけどさ。…お前は?名前とか、出身のゲームの種類だとか」 「…なまえ…」 名前。 出身。 ………………。 思い、出せない。 自分はなんだっただろうか。     
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加