1.退屈の崩壊

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頭の中がクエスチョンマークで埋め尽くされる中、コンコンとノックの後、開くぞ~という声と共に扉が開かれる。 「お、起きてたか。ちゃんと説明したか?リュウ」 と言いながら現れたのは、赤い髪をした三十代ほどに見える男性だった。 髪は腰ほどまで長く、ポニーテール?なのかは分からないが、 黄色のリボンで一つに縛っている。 仕事帰りか何かだろうか。なぜかフォーマルなスーツ姿だった。 「ばっちし!赤木さんに言われた通りやりましたよ!」 と言って、リュウさんはキラキラした笑顔で男性を見る。 「……の割には彼、なんか困惑した顔してるが?」 「あ、あはは…」 そんなこと言われたら、もう苦笑するしかない。 「はは…その顔だとやっぱり何がなんやらって感じの説明だったんだな。」 「…」 言いづらくて目を逸らす。 自己紹介されていたかもわからないし、説明もちゃんと理解してあげられなかったし、本当にリュウさんには申し訳ない気持ちでいっぱいになる。 「いやいや、いいんだ。あいつはいつも突然、重要なことをまとめて全部話し出すから……」 と、僕の気持ちを汲み取ってくれたのか、そう優しく言って笑った後、 「……しかも概要もなんも言わずに話し終わるからな。」 困った顔をしながらため息をつく。 「そんなことないですけど!?俺ちゃんとやったし!!!名前だって決めたんだぜ!?ケイって!」 「お前名前いつのまに決めたんだ……」 「名前無いと不便じゃないかな~って思ったんです!」 「それはな…名無しくんって呼ぼうとしてたしな…」 名前はそういうことだったのか。 確かに名前を思い出せない以上無いと不便だからつけていただけたのは有難い。 名無しくんなんて呼ばれてもちょっと嫌だなとは思うし。
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