2人入居可能です

2/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
「白雪、好きなの先に選んでいいよ。」 「えーどうしようかな...じゃあこのフルーツタルトもらうよ。」 白雪はフルーツタルト、黒江はチョコケーキをお皿に取ると白い箱を冷蔵庫にしまった。 黒江がティーポットからカップに紅茶を注ぐ。 「今週はいろいろあったけど...互いの幸せを願って」 白雪はにっこり笑って、黒江のカップと軽く合わせた。カチン、と高い音がした。 「おいしい!やっぱり評判なだけあるね。」 白雪がケーキを頬張って言った。 「この紅茶も良い香りよ。私のオススメなの。」 黒江は紅茶の香りを楽しんで一口飲んだ。つられて白雪が紅茶のカップを傾けると、黒江は白雪を凝視した。 「...ぐっ...うっ...」 カップから口を離した白雪が突然、胸を押さえて苦しみ出した。喉をかきむしるような動きをする。 「く、くろ、え...あんた...」 それを見た黒江が勝ち誇ったような笑みを浮かべた...が、そのとき。 「なーんちゃって。全然苦しくありませんー、残念だったね、黒江!」 白雪は舌をべぇっと出して笑い出した。 「あははっ!白雪だけに毒殺がお似合いだと思ったの?流石にバレバレでしょ!」 「なっ...」 一瞬驚いた黒江がギリリと歯をくいしばって白雪を睨んだ。 「...いつから気がついてたの?」 「いつから、って...最近色々やりすぎなのよ。ごめんねえ、私は飲んだふりしただけよ。私のカップに何か混ぜたのね?」 「ええ、そうよ!」 黒江が開き直って白雪に掴みかかる。 「あんたはいつも!私の物を横取りするから!今度という今度は我慢ならないのっ!」
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!