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「白雪、好きなの先に選んでいいよ。」
「えーどうしようかな...じゃあこのフルーツタルトもらうよ。」
白雪はフルーツタルト、黒江はチョコケーキをお皿に取ると白い箱を冷蔵庫にしまった。
黒江がティーポットからカップに紅茶を注ぐ。
「今週はいろいろあったけど...互いの幸せを願って」
白雪はにっこり笑って、黒江のカップと軽く合わせた。カチン、と高い音がした。
「おいしい!やっぱり評判なだけあるね。」
白雪がケーキを頬張って言った。
「この紅茶も良い香りよ。私のオススメなの。」
黒江は紅茶の香りを楽しんで一口飲んだ。つられて白雪が紅茶のカップを傾けると、黒江は白雪を凝視した。
「...ぐっ...うっ...」
カップから口を離した白雪が突然、胸を押さえて苦しみ出した。喉をかきむしるような動きをする。
「く、くろ、え...あんた...」
それを見た黒江が勝ち誇ったような笑みを浮かべた...が、そのとき。
「なーんちゃって。全然苦しくありませんー、残念だったね、黒江!」
白雪は舌をべぇっと出して笑い出した。
「あははっ!白雪だけに毒殺がお似合いだと思ったの?流石にバレバレでしょ!」
「なっ...」
一瞬驚いた黒江がギリリと歯をくいしばって白雪を睨んだ。
「...いつから気がついてたの?」
「いつから、って...最近色々やりすぎなのよ。ごめんねえ、私は飲んだふりしただけよ。私のカップに何か混ぜたのね?」
「ええ、そうよ!」
黒江が開き直って白雪に掴みかかる。
「あんたはいつも!私の物を横取りするから!今度という今度は我慢ならないのっ!」
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