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まさか...黒江が何か仕掛けたのか?...でもそれなら黒江が倒れているのはおかしい...
かろうじて視線だけ動かすと、視線の先、ソファーの下に動く影がある。
まさか...あいつが...そんははずは...
そのまま視界は失われ、真っ暗になった。
「...やっと静かになったわ。」
私は凝り固まった体を動かしながら、ベッドの下からよっこいしょと出てきた。床には白雪と黒江、私のルームメイトが倒れている。
「ガスマスク重っ!」
私は重い頭を支えながら、部屋の隅に置いてある空気清浄機を稼働させた。ネットで購入した怪しげな薬は即効性があるが、空気清浄機でパパっと除去できるらしい。
私は白雪の体をまたぐと冷蔵庫を開けた。
「ケーキ食べられるのかなあ。でもどうせこいつら...ああ、やっぱり。私チーズケーキ嫌いなのにわざとこれ残しやがったな。」
白い箱の中にはチーズケーキが1つだけ残されていた。
白雪、黒江、そして私の3人がルームシェアするようになって1年、もう我慢の限界だった。
2人は友達同士だからトラブルも少ないかと思ったら大間違いだった。2人は事あるごとに争うし、男を連れ込むし、暴れて物は壊すし。
最近はエスカレートして、互いに嫌がらせを行うようになっていた。人の食べ物に異物混入したり、引き出しを固定して開かなくしたり。2人だけでやるならまだしも、私の存在を完全に無視した上で私が完全に巻き込まれていた。
そして今朝、牛乳を飲んで激しい苦しみに襲われのたうち回ったあげく、トイレに駆け込むとトイレの蓋がボンドで固定されていたのを見た私は妄想だけに止めておいたこの計画を実行することにした。
無臭、無色のガスが吹き出す薬を設置し、ガスマスクを着けてベッドの下に潜み、2人が帰ってきたところで起動したのだ。殺しても死ななそうなこいつらなのでこの目で見届けさせてもらった。
「さて、これからどうするか...」
私はソファーに座って寛いだ。
荷物片付けて、掃除機かけて...
でもとりあえず...
新しいルームメイト、募集しよう。
人を殺そうとしたりしない、常識のある人がいい。
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