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「着いたわね、第二の人生が始まる場所よ!」
オーディション会場を前に武者震いが止まらないユミコとは対照的にアイはいたって冷静だ。
「何にも始まんないでしょ。今日は守護霊調べてもらうだけ!」
『スピリットシステム』はその高機能さゆえに台数が限られている。一般に出回るものではないため、守護霊を調べるためだけにオーディションには多くの参加者が集まってくるのだ。アイドル予備軍の長蛇の列の先にある巨大スクリーンには現役のアイドル=デュエリストたちの雄姿が映し出されている。
「アイ、見なさいよほら、真行寺リツコが出てるわよ!
はぁ~~、守護霊アテナだもんね。そりゃ神だわ、神」
「アテナってどんな神なんだっけ?」
「知らないわよ。キレイでかっこよくて、もうパーフェクトな神じゃない?」
そのとき、真行寺リツコの舞器から光の束が放出され、スクリーンに映し出されたデュエル会場は光の海に満たされた。
「見て! あのAura(オーラ)!! あんなのできる? アンタにできる??」
「できないわよ! もう興奮しすぎ! ほら、列進んでるよ」
舞器はデュエリストのパフォーマンスをエネルギーとして光の粒子を放出する。
粒子はさまざまにカタチを変え、立体映像となり観客を魅了する。これが「Aura(オーラ)」だ。
デュエルの勝敗はAura(オーラ)で決まると言っていいだろう。
現代の魔法とも言えるAura(オーラ)を使いこなすことがデュエリストの必須条件である。
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