紫の花束をあなたに

あなたに

今日は、あなたのための日

一年前の今日あなたが結婚して以来、滅多に会えなくなってしまったから、
せめてわたしを忘れないでいて、という思いも込めて、
わたしがあなたのためだけに作った花束を、あなたに贈る日。

女同士が結婚出来ないっていうのはわかっていたし、
あなたは、由緒正しいお金持ちの生まれだから、
いつか嫌でも他の男の人と結婚して、家庭を持たなければいけないということも、
全部、知っていた。

けれど、例え結婚出来なかったとしても、
わたしは少しでもあなたの傍に居たかった。
友人としてでも、何でもいい。
ただあなたから離れたくなかった。

だからこうして、今でも時間を見繕っては、花束を作っている。

今回の花束は、あなたが好きな、紫色のお花が主役のものにしようと思う。
今日は、あなたの結婚記念日も兼ねているから、奮発したのよ?
喜んでくれると、嬉しいな。