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女同士なんてろくな会話しない
「私、男性の乳首を救いたいんです。」
それは突然であり衝撃的な告白だった。
余りの唐突さに場に居合わせたすべての人間の空気や、表情や、動き、何ならこの室内のありとあらゆるものが一斉に静まりかえる。
その場に居合わせた彼女以外の全員が、まるで独白のような形で切り出した彼女の言葉を遮る勇気すら沸いてこず、ただ今正に神からの啓示を待つ
敬虔な信者のような神妙な顔をして彼女が次に発する言葉をじっと待っていた。
「だってどう考えたって不必要じゃないですか。勿論、神様が人間を造るときに一切の無駄を無くして設計したとは考えられませんけれど(神様は人に試練を与えるものですから)、それでもですよ、男性の乳首って不必要じゃないですか。」
彼女は全員が彼女の話に横やりを挟まないのを感じ取ると、それに元気づけられたのか、開口一番より多少興奮した様子で続ける。
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