メール

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 そのメールを見て、私は飛行機に飛び乗った。  メールの差出人は「九条喜乃」。メールタイトルには、私が久しく書くどころか話すことすら忘れていた母国語で私の名前が記入してあった。  久しく見る母国語と、懐かしい友の名前に胸を躍らせたのは束の間。  メールを翻訳して読んでみれば、そこには短いあいさつの後に「九条笑美」の危篤を知らせる文章がつづられていた。
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