第三章 灼熱の一夜

3/3

90人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
*************  目覚めた朝は、少し恥ずかしくて、雅は大急ぎで床に落ちていたトランクスを穿いた。 寝乱れたベッドの上で、明は裸のまま寝息を立てていた。  まるで夢のようだった。 なんの抵抗もなく、彼に望まれて、自分も彼を欲しいと想って…。  男に性欲を感じることなど、今までなかったに等しいのに。自分は彼を自然に受け入れ、望んだ。  身も心もボロボロになりながらこの国に辿りついて、こうして明に出会って…。 思いもよらぬ運命だった。 …明さん。 あなたが、たまらなく好きです。 どうやらオレ、あなたに何もかも、奪われてしまったのかな。 心も身体も。全て。  まだ眠ったままの明の背に、雅は眼を閉じて頬を寄せる。 また、必ず、ここに、戻ってきます。 そう、心に誓って。 ≪離さない……。≫ その明の言葉に、自分は囚われてしまったことを 今、知る雅だった-----------。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

90人が本棚に入れています
本棚に追加