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店に入ると、明は店員に新宿の街が一望出来る静かな席を頼んだ。
幸いにも平日のせいもあって、展望の良い席を店員が案内してくれた。
席に着くなり、雅は明を睨むように真剣な顔つきになる。
「…明さん、さっきの…どういうことですか?」
「…やーねー、いきなりそんな恐い顔しちゃってさー」
「誤魔化さないでくださいっ!そんなふうに誤魔化したって、あと少しで殺されていたのかもしれないんです!!いくら鈍いオレでも判ってるんですよ!?」
「…どういうことって言われたって、たまたま外人の通り魔がオレに襲い掛かってきたってことでしょ?あっ!案外、雅が狙われたんじゃないのー?」
どこまでもシラを切る明に対し、雅はバンとテーブルを両手拳で叩いた。
大きな音でほかの客の視線が、明や雅のテーブルに集中する。
「ほらほら…アンタが大声出すから、みんなビックリしちゃってるしー」
「……オレ……あなたの邪魔なんですか?さっきも、突き飛ばされたし…。」
「……………。」
「オレ、足手まといなんですか?あなたの助けになれないんですか?オレ、そんなに頼りないんですか?オレ、あなたの何なんですか?」
「やめよ、雅。これから美味しく肉食べたいじゃないの…」
「答えてくださいっ!!」
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