1話出会い

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VRMMOに初めてログインした清水赤土。  彼はいわゆる無職であり、ニートと呼ばれる人たちのぎりぎりのところに立っていた。  彼はゲームの中でお金を稼いで、それをリアルで売るという新しいビジネスに取り掛かろうとしていた。  しかし新しいといえど先任者たちがいるわけだ。そういうところも探っていこうとも思っていた。  いわゆる赤土は働きたくなかった。  実家に帰ればいいのだが、家族が働けとうるさいので無視し続けた。  というわけで、VRMMOというものに挑戦してみることとする。  大きなベッドがありそこに寝転がる。  頭にヘルメットをかぶりバイザーをおとす、つぎに体をみぞに横たえると、スイッチを押した。  赤土はVRMMOなんて信じてなかったし、初めての経験だった。  目の前が暗くなったと思った瞬間、カラフルな世界が広がっていた。  多種多様な色合いや虹、ゲームの名前が〈Rainbow Colorful 〉だからなぁとか思っていた。  キャラクター設定を自分の顔とそっくりにした。 「どの星座が好きですか?」  という天からの声に赤土は考える。 「羊だ。おいしいからな」  そういうと、目の前が暗転した。気づいたらどこかの遺跡の中だった。  周りをみるも数人の人々がいた。  その中で青い髪の名前が〈ジロウ〉という青年に目がいった。 「きみも羊を?」  とジロウが尋ねてきた。なぜ名前がわかるかというと頭の上に表示されている。 「ああ俺も羊だ」  すると頭の神の毛が黄色で、背丈は小さかった。少女といっていいほどの女性がこっちにきた。 「ねぇねぇ、組まない? ここから脱出するのにも戦力が必要でしょ?」 「いいね」  湖にうつる自分の髪が燃えるような赤だということに気付いてにやりと笑った。 「よし」
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