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「ねね、耳貸して?」
私が小さくそう言うと
「ん?何?」
と言って裕翔は顔を近付けた。
そしてその頬に、私はキスをする。
ーチュー
「もー!!」
照れ臭そうに頬を赤く染める裕翔に、胸がキュンと締め付けられた。
「電車、そろそろ来るね。」
「うん、そうやね。」
私はこの時間が苦手だ。
離れるのは悲しいけど、泣いて手を振る事はしたくない。
だから、最後は笑顔で...
と思ったのに...。
「ねぇー!泣かないの!」
「泣いとらん!見んで!」
裕翔の瞳からはボロボロと涙が零れている。
相変わらずの泣き虫だ。
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