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「またね、愛してるよ。」
「うん、俺も愛しとる。」
目をしょぼしょぼとさせながら笑っている裕翔の顔を見て、私の心もチクリと痛んだ。
ープシューー
と音を立て、閉まる電車の扉。
「愛してるよ。」
と口を動かせば、それに答えるように、裕翔は小さく頷いた。
一人、開いてる席へ移動する。
座った瞬間、今まで我慢していた涙が滝のように流れてくる。
次会えるのは、いつになるのだろう。
それまで、裕翔の温もりは、私の体に残っていてくれるのだろうか。
裕翔は、それまで私の事を、好きでいてくれるだろうか...。
そんな事を考えていたら、あっという間に駅に着いてしまっていた。
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