知的な優等生君

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お洒落な雰囲気のある駅地下のお店に連れてこられて、前から気になってたお店だと分かり感動したのも束の間でそこには友達がカウンターに座り旦那さんと飲んでいて、店に入ってきた私に気が付き声をかけて今の状況の詳しい話は後日でとかわした。 「川崎さんが、好きに呼んでくれて構いませんよ。仕事とプライベートをわけて下さるならですが。」 LINEを返してメニューをみながら珍しくニッコリ微笑む余裕ある返答に、川崎さんは戸惑っていた。やっぱり人間は予想外の事に固まる生き物なんだと確信した。 「分かりました。考えておきますね。僕の事も好きに呼んで下さい。」 「はい。(好きに呼ぶのが分からない。)」 メニューとにらめっこしても何も頼めない。と思っていたら、テキパキと頼んでくれた年下君。でも、メニューを顔近づける距離で見てるから変にドキドキしてしまう余裕の無い年上の私。 「飲み物、ノンアルコールビールと…麻咲さんは何がいいですか?」 「ノンアルコールのオレンジフィズで。」 私を年上だと感じさせない年下君に出来るこだと感心した。一緒にいても翻弄はされるけど楽しいし、苦にならないのが大事。相手を思いやれる人っていい人だからそこにホッとする私がいる。 「異性の友達や先輩多いですか?」 「そんなに多くは無いですよ。先輩の前だと気を遣って食事するのが辛いので今此処にいる事が嬉しいです。」 「これからも、仕事一緒にするならもっとお互いを理解した方がいいですよね?麻咲さんの素の顔を僕だけに見せて下さい。」 「私は、恋愛慣れなんてしていない恋愛初心者です。いい歳して動揺したり恥ずかしいですよね?熱しやすく冷めやすい、まともな恋愛なんてした事がありません。」 年下君に引かれても仕方ない事を私は何故言ったのか分からない。でも、事実で中途半端な気持ちのまま好きだの気になるだのと言ってきた。本気になってこの人と一緒になら死ねるとか思った相手が今までにいなかった。 「相手の異性に愛されていなかったから本気になれなかったのかもしれません。僕は、麻咲さんに言ってる事嘘じゃないですよ。本気だから分かって欲しいんです。」 普段見せる柔らかい顔が真剣な顔になって言う年下君に私は、ドキッとしてしまった。今までに無い感情が私を変えようとしている。 「人を好きになるのに理由なんていらないですよね?」
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