第1話

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私達は高校卒業を目前に しゅんちゃんからの告白で付き合い始めた。 今日は付き合って1年の記念日。 ケーキを作ってプレゼントも用意して準備万端。 しゅんちゃんは大学生。 私は親戚の経営する不動産会社に就職。 それぞれ進んだ道は違うけど 出来るだけ会おうと努力してきた。 ・・・つもりだった。 度々、しゅんちゃんの浮気が発覚するも毎回泣いて 「もうしない!ちゃんと相手と縁を切るから!」 と、同じ台詞を言う。 絶対、彼の浮気癖は治らないと思っていても 泣かれるとどうしても厳しく言えなかった。 でも、今回ばかりは堪忍袋の尾が ぷっつりと切れてしまった。 彼からメール。 『ごめん。今日行けなくなった! サークルの先輩に捕まって抜けれそうに無い! 本当にごめん!!』 この時点ですぐに浮気だと気付いた。 彼の悪い癖。 浮気以外で会えない時は 『ごめん!やっぱ無理だ。』 と、完結的なメール。 浮気の場合はその真逆で聞いてもいない理由を 自ら書いて送ってくる。 そんな小さな違いに彼自身、気付いていない。 私は彼と同じ大学へ進学した親友に 電話をして聞いた。 すると親友は 「え?サークルの先輩? しゅん君って確かサークル参加してないよ? ほら!アルバイトしたいからって!」 と言った。 (はい浮気決定ー。 今度こそボロクソに捨ててやる・・・) そう心に決めた私は親友を呼び出し一緒に 彼のアパートへ向かった。 彼の部屋は一階。 鍵を掛けていない部屋へ土足のまま上がり込む。 ベッドの上で裸の彼とケバい女が居た。 「しゅんちゃん。今度こそ終わりでいいよね?」 すると浮気相手の女が鼻で笑い馬鹿にしてきた。 「え?これがあの彼女? ちょっとーウケる! プリの画像マジ盛りすぎー!! 実物、超ブスじゃーん!!」 布団を叩きながら笑う女に私は テーブルの上にあった飲み物をかけて言った。
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